小説「Aiming for the ground Octo」~種族を超えた出会い~

突然無線から聞こえて来たガールの大きな声…

すると、今度は別のガールの声が…

謎の声『セ、センパイ~急におっきな声出さないで下さいよ~。』

アタリメ「おぉ…オヌシら、3号では無いな!?な、何者じゃ…名を名乗れい!!」

ヒメ『テメーこそ誰だYo!?アタシはヒメ、a.k.a.MC Princess!!ショートでキュート、ドクゼツ ジョーゼツ テンタクルバリバリ!塗りたくってナワバリ!Yo!』

アタリメ「YoYoYo!若造がこのワシにラップでバトルと申すか!MCよっちゃん事、ワシの真の姿とくと見よ!ワシはアタリメ、メシは3食アタリマエ!ボケて4食、そんときゃ出前…。」

ツミ「…………………。」

そう言ってお互いに無線越しにラップバトルを始めた2人…ツミは言葉を失ってしばらく見ていたが…

謎の声『わ~っ!ストップ、ストップ!!アタリメさん…でしたっけ?ワタシ達、今ここで通信機を拾ったんです。ワタシ達は今ナンタイ山にいるんですけど、アタリメさん達はどこにおられるんですか?』

アタリメ「ナンタイ山と言えば、タコツボバレーの近くじゃな…実はワシと8号もそこにおったはずなんじゃが、誰かに連れ去られて地下から出られないんじゃ…。」

イイダ『あらら、アタリメさんと8号さん…?も知らない場所ですか…それは困りましたね……大変そうなのでワタシ…イイダ、a.k.a.DJ E-DAがサポートさせて頂きます!』

ツミ「ありがとう、助かる…!」

イイダ『とりあえず皆さんの現在地を調べてみますね、ワタシのサポートがお役に立てばいいんですけど…!』

そう言ってイイダは調べ始めて…

ヒメ『ヘーイ!8号だかハチだか知んねーけど、ジジィはそこでオハギでも食ってりゃ平気だYo!』

アタリメ「むぅ…ちと不服じゃが、ラップが出来る奴に悪い奴はおらん!じゃワシらは約束の地に行く為にチャレンジを進めるかのう、そんじゃ8号、イカよろしく~!」

ツミ「まぁ…それが一番の方法だろうな…。」

若干の不安を覚えつつも、ツミは約束の地へ向かう為にチャレンジを進めて行く決意を固めて…次の駅へと向かうのだった。

一方で…

ここは同じく深海の地下施設…ポナは意識を取り戻してゆっくりと目を開けた…。

ポナ「んっ…ここ…は…俺はどうして……そうだ…タコゾネスとの戦闘後…アタリメ司令とその場を後にしてすぐ…足下から沈んで行って……。」

起き上がって辺りを見回したが、アタリメ司令の姿はおろか…誰1人居る様子は無い

ポナは立ち上がりヒーローシューターを手にすると、警戒しながら歩き始めた。

薄暗い通路を抜けて…しばらくすると少し明るい資料室の様な場所へ出た。

何か手がかりを…そう思ってポナが置いてあった机に近づくと…

ガタッ!奥の方で物音が!

すかさずヒーローシューターを構えるポナ、彼の鋭い視線の先には何やら動く影が…

ドパパパパパッ!ポナがヒーローシューターで足下を塗ると…

謎の影『きゃっ…!』

声の感じからしてガール…タコゾネスか…?そう思いながらポナは更に足下を塗って牽制する。

ポナ「誰だ、姿を見せろ!」

そう言うと…影はゆっくりと動き…

薄暗い明かりに照らされたのは…1人のタコガール

タコガール「………………。」

褐色肌に赤い瞳、柘榴色の髪は1つに纏めていて…ポナはヒーローシューターの銃口を向けつつ口を開いた。

ポナ「タコゾネスがここで何をしている…ここはお前達の実験施設か何かか?」

タコガール「………………。」

ポナ「…答えろ。」

タコガール「…………………?」

何やらタコガールの様子がおかしい…ブキを構えてくる素振りもなければ、言葉が通じている気配すら無い…今まで出会ってきたタコゾネスと違いイカの言葉を理解出来ていない様で、その赤い瞳は少し涙目で体は小さく震えていて…怯えている様子だった。

ポナ「…そうだ、アタリメ司令から貰ったメモで……ダメだ、発音が分からない…。」

タコガール「………………。」

ポナ「…あ、これなら行けるかも…。」

そう言うとポナはヒーローシューターをしまい、メモとペンを取り出した。

そしてアタリメ司令から貰ったタコの言葉のメモを見ながら書き、タコガールに渡した。

『いきなりブキを向けて怖がらせてごめん。俺はポナ、君の名前は?』

タコガール「………………。」

メモに何かを書き出したガールは、書き終えるとそっとポナにメモを返した。

『大丈夫、あたしの名前は…ざくろ。』

ポナ「ざくろか…ざくろ…この名前…確かツネが…それじゃあ、この子がツネの探している仲間…。」

ざくろ「………………?」

メモをめくり、再び文字を書いて渡したポナは…ざくろとの意思疎通を試みた。

ポナ『ざくろ、君はどうしてここに居るのか分かるかい?』

ざくろ『ううん、分からない…先輩と一緒にナンタイ山で攫われたタコを目撃して…その直後に足下から引きずり込まれて…気がついたらここに…。』

ポナ『(ざくろも同じ状況なのか…)そうなんだね…ざくろ、俺と一緒に出口を探そう?君を仲間の元へ帰してあげたいんだ。』

ざくろ『あたしを…いいの…?』

ポナ『うん、もちろんだよ。』

ざくろ『ありがとう……ポナ。』

そう言うと、ざくろはポナにそっと手を差し出して…ポナは驚いてターコーズブルーの瞳を見開いたが、すぐに穏やかな表情になり…彼女の手を握って握手をした。

こうして…ツミがアタリメ司令やテンタクルズの2人と行動を共にし始めた一方で、ポナはタコガールのざくろと共に行動を始めたのだった。

To be continued…