小説「ハイカラ娘の蛮殻探訪」~新天地の調査と不穏な予感~

婚約してから2ヶ月後、皆に祝福される中で晴れて夫婦になったポナとまめみ

結婚式を終えた後に今度は自宅の家の庭で集まったとぐろ達に祝福されながらパーティーで盛り上がり、2人は今までの中で一番幸せな笑顔だった。

それから1年…フーとペコ、まめおとスー、そしてつい最近ツネとざくろの間にそれぞれ子供が生まれ、アタリメ司令が引退して相談役になり新たにポナが司令を引き継ぐという変化の大きい年を迎えた

穏やかな日常を送りつつもポナは司令としての役目も果たしていて、疲れて帰ってきた時はまめみが暖かい笑顔と美味しい料理で彼を出迎えるのだった。

そんな冬のある日…

まめみ「調査の為にバンカラ街へ?」

ポナ「うん、1号と2号も一緒に行く事になったよ。」

久々の大きな任務の地となるバンカラ街…ハイカラ地方から遠く離れたバンカラ地方にある街で、3年前のハイカラスクエアでのラストフェス後から急速に発展したという

7年前から工事が進められていた「マサバ海峡大橋」の完成によって行き来がしやすくなったとはいえ、急激な街の改革によって深刻な資金難に陥っており、お世辞にも治安の良い場所とは言えない…。

まめみ「あの街、良い噂は聞かないけど…。」

ポナ「まぁね…でも任務である以上は行かないと。」

まめみ「そうだけど…でも…。」

不安な表情のまめみ、勿論ポナも彼女の気持ちを理解している…とはいえ平和を脅かす可能性のある以上、調べない訳には行かないのも事実で…ポナはぎゅっとまめみを抱き寄せておでこにキスをした。

ポナ「必ず無事に帰ってくるから、ね?」

まめみ「…うん。」

彼の優しい声に、まめみはまだ不安を残しつつも安心したのだった。

それから数日…バンカラ街に向かう前日に、ポナは最終確認の打ち合わせを終えて帰った

ポナ「連絡はしておいたけど、こんなに遅くなるとは…。」

時計を見ると夜の11時を過ぎており…申し訳無い気持ちもありつつポナが鍵で扉を開けて家に入ると、リビングはまだ明かりが付いていてソファでまめみがぐっすりと眠っていた。

まめみ「すぅ…すぅ…。」

ポナ「(待っていてくれたんだ…)ただいま、まめみ。」

眠るまめみにそっと囁いて頬にキスをすると、ポナはシャワーを浴びて来たが、戻ってもぐっすり眠っていて…

まめみ「んっ…。」

優しく頬を撫でると、少し身じろぎした後にゆっくりと桃色の瞳が開かれて…眠そうに自分の顔を見つめつつも暖かい笑顔を向けてくれる。

ポナ「ただいま、遅くなってごめんね。」

まめみ「おかえりなさい…お疲れ様。」

まだ眠気が強い様子の潤んだ瞳はポナの顔を映していて、安心を求めた故なのか自分のシャツを着ているのも可愛く愛おしくて…ポナはまめみに覆い被さり抱きしめ、同時に湧き上がってくる欲望に勝てずその唇に熱い口づけをしていく

角度を変えながら何度も堪能すれば、まめみは頬を真っ赤に染めながら見上げていて…

ポナ「まめみ…。」

まめみ「傍に居て…朝までずっと離さないで…。」

抱きしめる腕にぎゅっと力が入り、彼女の気持ちが痛い程伝わってくる…ポナはターコイズブルーの目を細めると、さっきよりも強くまめみを抱き返した。

ポナ「うん、離さないよ…愛してる、まめみ。」

優しいキスから始め、その後は寝室へ向かうと…

ポナは優しくまめみをベッドへ押し倒して頬や唇、首筋にキスを落としていく

まめみ「んっ…ふぅ…あっ…。」

ポナ「甘い…はぁ…。」

透き通るような綺麗で白い肌、潤んだ桃色の瞳…柔らかくて抱き心地の良い体

彼女の全てが愛おしくて堪らない…ポナはいつも以上に欲をそそられて興奮していたが、まめみもいつも以上に秘部は潤い彼を受け入れたくて堪らなくて…服を脱ぎ、お互いに指を絡めて体中で熱と愛を感じ合う

まめみ「はぁ…あっ…ポナ…く…ん…!」

ポナ「まめみっ…はぁ…!」

まめみ「もっ…と…来て…。」

ポナ「はぁ…はぁ…っ…!」

甘い声と表情でねだるまめみは、興奮が増しているポナにとっては媚薬同然で…体中から湧き上がる彼女への想いをぶつけるかの様に、その欲は止めど無く注がれた

何度もこうして深く愛し合ってきたのに、初めての様に新鮮で心地良くて…行為の度にそんな不思議な気持ちになるのは、2人が運命の相手だからだろう…お互いにそう感じながら2人は一晩中深く熱く愛し合い、気持ちを確かめ合った。

そして朝を迎え…

まめみ「行ってらっしゃい。」

ポナ「行ってきます。」

長く深いキスをすると、ポナはアタリメから受け継いだ伝説の帽子を被ってマサバ海峡大橋へと向かって行った。

同じ頃、シャケト場では…

ドスコイまる「キュッ?」

シャケ子「どうしたの、ドスコイまるちゃん?」

ドスコイまる「キュッ、パパかえってきた!」

成長したドスコイまるは少しずつ言葉を話せる様になっていて、父親の機械の音を聞き分けて一目散へ向かって行った。

ギィィ…ガシャン

お出迎えに外へ出たドスコイまるの目線の先では、とぐろが愛用の機械を収納して降りてきた所で…

とぐろ「ただいま、ドスコイまる!」

ドスコイまる「キュッ、パパおかえり!」

小さな体を大きく揺らしながらパタパタとこっちへ向かって来ると、大ジャンプをして彼の胸に飛び込んだ。

すると、家の中から遅れて出てきたシャケ子が満面の笑みで出迎えてくれる

シャケ子「お帰りなさいダーリン!」

とぐろ「ただいま、シャケ子!」

何気ない家族の光景…今日もシャケト場は平和だったと思われていたが…

ドスコイまる「…キュッ?」

何かの「匂い」をいち早く察知したドスコイまるが、辺りをキョロキョロし出した

とぐろ「どうしたドスコイ丸……これは…血の匂い?」

シャケ子「誰か酷い怪我をしているのかしら…?」

平和な雰囲気に突如差し込む不穏な気配…

すると…

タマ「とぐろ先輩!」

おシャケさま専属の郵便配達係をしているはずのタマが、最近開発された金イクラ収集効率を上げる為の機械に乗って大慌てで飛んできた。

とぐろ「どうした、タマ?」

タマ「シャケト場の近くの海で、ダイバーが大怪我をしているんです!今はテツ先ぱ…じゃなくてテツさんとザンナ隊長がおシャケさまを呼びに行って、モグモグ先輩が向かってますが応援を頼みたいと…!」

とぐろ「分かった、すぐに行く!」

シャケ子「ダーリン…!」

とぐろ「すぐに戻る。」

シャケ子「えぇ、気をつけて。」

ドスコイまる「キュッ…ママ、ぼくがまもる。」

とぐろ「あぁ、頼んだぞドスコイまる。」

息子の頼もしい言葉に優しく笑ったとぐろは、彼の頭を撫でてシャケ子に託すと、タマの案内の元すぐに応援に向かった。

To be continued…