マホロア「ボクの方が格上ダッテ、今日コソ分からせてヤルヨ!」
マホロア「お前に負ける程、ボクは落ちぶれちゃいねーのサ!」
アイシェ「2人共、やめて!」
喧嘩を止めようと呼びかけるも、両者は乱闘に発展し…マホロアはマルクの頬を手で、マルクはマホロアの顔を足でグッと押している
マホロア「チョット、ボクの顔に傷が付いたらどーすんダヨ!」
マルク「そしたらそこに顔でも描いてやるのサ!」
マホロア「そんなコトされたら、全宇宙の笑い者ダヨォ!」
マルク「ついでに全宇宙のアホロアって宣伝してやるサ!」
マホロア「テメー大人しく聞いてレバ、つけ上がりやがッテ!」
そう言うと、今度はマルクの帽子を思いっきり引っ張った!
アイシェ「マホロアもマルクもやめて!」
しかしアイシェの声が届く事は無く、2人は乱闘を止めない…
マルク「馬鹿、やめるのサ!」
マホロア「ソッチが先にやったんダロ!」
マルク「離すのサ!」
とうとうマルクは翼を出して、その鋭い鉤爪でマホロアの耳を掴んで引っ張り出した!
マホロア「チョッ…痛イヨ!」
マルク「お前が離せばボクも離してやるのサ!」
マホロア「何でボクが先なんダ、テメーが先に離せヨォ!」
2人は引っ張り合いをしながらゴロゴロと転げ回り、せっかく綺麗に掃除した部屋が散らかっていく…
アイシェ「部屋がぐちゃぐちゃになっちゃう…やめて!」
相変わらず浮かんだままのアイシェが懇願しても、2人は喧嘩を止めず…マルクが足で思いっきりマホロアを蹴り上げて引き離した!
マホロア「痛っ…何するんダヨ!!」
マルク「こうなったら必殺技でケリを着けてやるのサ!」
そう言ってマルクは顔を膨らませて力を溜め始めて…
マホロア「臨む所ダ、消し炭にしてヤルヨ!」
対してマホロアも両手を前に構えて呪文を詠唱し始めて…
つまり2人は必殺技「マルク砲」と「マホロア砲」をそれぞれ撃つ前触れだと確信し、アイシェの表情は青ざめた。
そんな事をされたら2人はおろか、家ごと吹き飛んでしまう!
2人がフルパワーになり、必殺技が放たれようとした瞬間!
アイシェ「いい加減にしてよっ!!」
家中にアイシェの声が響き、驚いた2人は攻撃を止めた…
マホロア「エ…?」
マルク「アイシェ?」
2人が見上げると、スカートを押さえたままプルプルしているアイシェがいて…次の瞬間、マホロアが驚いた事で魔法が解けてベッドに落ちてしまった!
ボフッ!
アイシェ「きゃあっ!!」
柔らかいふかふかなベッドは彼女を優しく受け止めてくれたが…
起き上がる時に膝を曲げた為、太ももの間からまた見えてしまって…
マホロア「(また見えチャッタ…ラッキーダヨォ…。)」
マルク「(アイシェ、無防備過ぎなのサ…。)」
驚きつつも内心は喜んでいる2人に、アイシェはハッとしてまた両手で押さえた。
アイシェ「また見たでしょ!」
マホロア「見てないヨォ!マルクは見てたケドネ?」
マルク「お前も見てたのサ!」
マホロア「ボクは太ももと一緒にダヨ……アッ!」
アイシェ「やっぱり見てたんじゃない!」
マホロア「ア…ソレは…エットォ………!」
頬を真っ赤に染めて怒るアイシェに、マホロアの黄色い瞳は泳いでいて…
アイシェ「もうっ…早く家から出てって!!」
マホロア「エ……エェェェェェェーーーー!?」
マルク「あんまりなのサーーーー!?」
アイシェ「スカートは覗くし、喧嘩するし…部屋もぐちゃぐちゃだし……ぐすっ…せっかく綺麗にしたのに…!」
青い瞳からポロポロと涙を流して泣き出してしまったアイシェを見て、マホロアとマルクは心がぎゅっとして…
マホロア「ゴメン…ホントにゴメンネ、アイシェ…泣かないデ…!」
マルク「ちゃんと元通りにするから、な…!」
何とか泣き止んでもらおうと必死な2人だったが、アイシェの機嫌が直る事は無く…
アイシェ「うっ…ぐすっ…喧嘩ばっかりする2人なんて嫌い…今すぐ家から出てって!!」
マホロア「ア、アイシェ…!」
マルク「そんな事言うなよぉ…!」
アイシェ「嫌っ…出てって!!」
ショックを受ける2人だったが…アイシェは泣きながら落ちていた本やクッションをポイポイ投げて2人にぶつけて…
マホロア「痛イ…痛いヨ、アイシェ!」
マルク「ひとまず撤退するのサ!」
マホロア「デモ…デモッ……!」
マルク「いいから行くのサ!!」
酷く動揺するマホロアを連れて、マルクは家を飛び出して行き…
アイシェ「うっ…ひっく……!」
一方のアイシェはベッドに顔を伏せて、そのまま泣き続けていた
その後、ウィスピーの森まで避難したマルクとマホロアだったが…
マルク「はぁ…流石にイタズラが過ぎたのサ…何とかアイシェに謝って機嫌を直してもらわないとな、マホロ…」
しょんぼりしつつも、そう言いながらマルクがマホロアの方を見ると…
マホロア「………………。」
ズーンと重苦しい雰囲気が漂い、草むらに突っ伏して動かないマホロアの姿があった…。
マルク「ちょっ…しっかりするのサ!」
驚いたマルクがマホロアを揺すると…
マホロア「アイシェに…アイシェに嫌われタヨォ…1年越しに漸く会えテ…やっと気持ちを伝えテ…恋人にナレタのに…ウ…ウゥゥ……!!」
突っ伏したまま泣き始めたマホロアに、さすがにマルクも申し訳無さが込み上げてきて…
マルク「悪かったのサ、マホロア…でもアイシェは許してくれるのサ、だから一緒に機嫌を直す方法を考え…」
すると、今度はゆらりと起き上がり…どこからかマルクの形をした小さなぬいぐるみを取り出して…
マホロア「こうなっタラ仕方無イ…マルクを呪い殺シテ、詫びるしか無いヨォ…。」
ギリギリとぬいぐるみの帽子部分を引っ張っているマホロアの表情を伺い知る事は出来ず…マルクはゾクリと背筋が凍り付いた
マルク「落ち着けよ!というか本人の前でそんな物騒な事をするんじゃ無いのサ!」
マホロア「目の前に居るカラ分かる様にわざとやってんダロ、ホント~に頭悪いナ。」
マルク「…とりあえず、その発言について今回は目を瞑ってやるのサ。」
若干ビキビキしつつも、マルクは何とか自分を抑えた。
マホロア「もう終わりダヨ…アイシェに嫌われタラ、生きていけないヨォ…。」
マルク「お前、嫌いって言われただけで簡単に諦めるのサ?」
マホロア「…何が言いたいんダヨ…。」
マルク「アイシェの為に、あんなに努力してたお前はどこに行ったのサ。大体アイシェだって本心で言った訳じゃないのサ。」
マホロア「本心じゃないっテ?」
マルク「勢いで心にも無い事を言ったに違い無いのサ、そうじゃなけりゃとっくに嫌われてるのサ。」
マホロア「…一言余計ダヨォ…。」
マルク「とにかく…ちゃんとアイシェに謝ってお詫びするのサ、その為にも何が良いか一緒に考えるのサ。」
マホロア「マルクに言われるのは癪だケド、分かったヨォ…。」
こうして2人は、どうすればアイシェに許して貰えるかを考え始めたのだった。
一方、大きな魚を釣って帰って来たカービィは…
カービィ「ただいまー!…ってアイシェ、どうしたの!?」
アイシェ「ぐすっ…マホロアとマルクが喧嘩して…。」
そう言って、アイシェは事の顛末をカービィに話した
カービィ「そうだったんだ…とりあえず、ボクと一緒にお掃除しよう?」
アイシェ「うん…。」
その後、2人は協力して片付けてあっという間に綺麗になり…カービィがホットココアを作ってくれた。
To be continued…