小説「ハイカラ娘の蛮殻探訪」~秘密と最後の任務~

再び姿を現したすりみ連合に、驚きを隠せないまめみ達…

ウツホ「ヘイヘイ!ワシらがそう簡単に引き下がると思ったら大間違いなのじゃ!」

フウカ「ここで手ぇ引いたら、すりみ連合の名折れや!」

ポナ「今度は何が狙いなんだ。」

ウツホ「痛い目に遭いたくなければ、そのお宝を置いて行くんじゃな!」

マンタロー「エイ!」

1号「あ、それの事?」

2号「もう使わんし、お好きにど~ぞ。」

先程とは一転して、今度はすりみ連合が驚いていて…

フウカ「えっ…お宝いらへんの!?」

1号「どーぞどーぞ!」

フウカ「ほんまに…えぇっ…?」

ウツホ「ゆ、譲ってくれるんか…何度も喧嘩を吹っ掛けたワシらに…?な…何て懐の深い御方じゃ…!」

そう言ってすりみ連合は泣き出してしまい…

まめみ「えぇ…!?」

ポナ「ちょっ…何も泣き出さなくても…。」

若干引いてるポナとまめみだったが、すりみ連合達はお構い無しに座り込み…

ウツホ「ならば…姉御、姉御と呼ばせて欲しいのじゃ!」

2号「あ、姉御!?」

フウカ「あ…姉御!」

マンタロー「エイーッ!(姉御ーっ!)」

1号「わっすごい…ホタルちゃんに舎弟が出来ちゃった!いいなー!」

ポナ「1号…舎弟は良い意味では無いからね…。」

しかし1号は憧れの眼差しで2号を見ていて…

2号「面倒臭い事になった…。」

片目に手を当てて、2号は心底うんざりした溜息を吐いたのだった…。

1号「2号のカリスマ爆発で仲間も増えたし、これでじーちゃんを助けに行けるねまめみちゃん!」

まめみ「…………!」

そう言ってはしゃぐ1号だったが、まめみはその場に立ち尽くしたまま酷く青ざめた顔をしていて…

1号「まめみちゃん?」

2号「酷く顔色が悪いね、ちょっと休もうか?」

まめみ「ダメ…アタ…リ…メ…さ…助け……っ…!」

ドスコイまる「キュッ…まめみ!!」

ドサッ!

ポナ「まめみ!?」

1号「まめみちゃん!?」

ウツホ「どうしたんじゃ!?」

2号「すぐに部屋へ!」

フウカ「ウチらも手伝うで、姉御!」

マンタロー「エイ!」

まめみはポナ達が部屋へ運び…服を1度脱がせる為にポナとマンタロー、ドスコイまるには退室してもらい、2号が上着を脱がせた。

2号「最近疲れやすい感じだったから、ダウンしたのかもしれんね…。」

1号「まめみちゃん、頑張り屋さんだからね…。」

しばらくして…

まめみ「んっ…。」

2号「気がついた、まめみちゃん?」

まめみ「ホタルちゃん…あたし…?」

1号「あの後、倒れちゃったんだよ。」

まめみ「ごめんなさい、アタリメさんを助けに行かなきゃなのに…。」

2号「大丈夫、無理はしないんよ。」

すると…マンタローが水を持って部屋に入ってきた。

マンタロー「エイ。(お水持って来たよ。)」

まめみ「ありがとう、マンタロー…くん…。」

そう言って起き上がって受け取ろうとしたまめみだったが、胸を押さえて苦しみだして…

2号「まめみちゃん、苦しいの!?」

まめみ「うっ…ゴホッ…ゲホゲホッ…!」

ビシャ…ボタボタ…!

まめみが口を押さえたが、ピンクのインクがボタボタとまめみの太ももに落ちた…。

2号「これはインク漏れ…まめみちゃん、いつから!?」

フウカ「インク漏れって事は…3号はんもしかして…!?」

まめみ「…気づいたのはサイト5が終わった日の夜……ドスコイまるが最初に気づいてて…ずっとあたしのお腹の傍で寝ててくれて…。」

1号「そんな…まめみちゃん、何て無茶を…!」

ウツホ「お腹の子に何かあったらどうするんじゃ!…というか、誰の子なんじゃ?」

マンタロー「エイ?(もしかして、司令さん?)」

2号「司令とまめみちゃんは夫婦なんよ…とにかく司令に話して…」

まめみ「ダメっ!!」

ポナに話そうと席を立とうとした2号を、まめみは腕にしがみついて止めた!

2号「まめみちゃん、どうして…!」

まめみ「ポナ君に話したらあたしを任務から外しちゃう……せっかくあの人の任務の助けになれたの…最後までやり遂げたい…!」

1号「でも…!」

まめみ「もう…あの人の帰りを1人で不安に待ってるのは…嫌なの…っ…!」

悲痛な胸の内を明かしたまめみの頬を伝って涙が零れ落ち…2号はしばらく考えた後に口を開いた。

2号「分かった、任務が終わるまでは司令には絶対に秘密にする。」

1号「ホタルちゃん…!」

2号「その代わり、あたし達も精一杯サポートするかんね。」

ウツホ「そうと決まったら、ワシらも協力するぞ。」

フウカ「ウチらに任せて、3号さんは任務をおきばりやす。」

マンタロー「エイ!(絶対に無理しちゃダメだよ!)」

まめみ「みんな…ありがとう!」

その後、水を飲んで回復したまめみはポナの元へ戻ると…ドスコイまるを抱っこしてあやしていた。

ポナ「まめみ、大丈夫?」

まめみ「うん、心配かけてごめんね…もう大丈夫。」

ドスコイまる「キュ、まめみ…いく?」

まめみ「うん、行こう。」

ポナ「まめみのサポートを頼んだよ、ドスコイまる。」

ドスコイまる「キュッ、うん…ぼくおにいちゃんだからがんばる!」

まめみ「(ドスコイまる!?)」

ポナ「うん、ドスコイまるはもう赤ちゃんじゃないもんね。」

ドスコイまる「キュ、ちがう!」

ポナ「へっ??」

一瞬まめみは焦ったが、ドスコイまるの言う「お兄ちゃん」を違う解釈をしているポナに、まめみはホッとしたのだった。

まめみ「それじゃあ、行ってきます!」

皆に見送られ、まめみはドスコイまると共にインクレールで登り始めたのだった。

To be continued…