小説「緑髪の少年(再会編)」~懐かしさと惹かれる心~(前編)

あれから何日かして…すっかり打ち解けたフーは愛用ブキの3Kスコープと共にまめお達とのナワバリを楽しんでいる一方、ガチマッチにも再び挑戦してあっという間にC-からS+に復帰した。

まめお「フー兄、リッター3Kの照準なんだけど…。」

フー「どれ…あぁ、狙ってる場所より微妙に軸がずれてるんだな…これでどうだまめお?」

まめお「おぉ…!今度は上手くいった!」

フー「お前は飲み込みが早い。それに洞察力も中々に優れてるから状況に応じて敵を翻弄するのが得意だろ、パーマネント・パブロを上手く使いこなせてるのも、まめおの戦い方のスタイルによく合ってるんだな。」

まめお「へへっ…そこまで褒められると照れるぜ…。」

最近はこうしてみんなのブキのエイムや立ち回りのアドバイス等もしているフー。彼の洞察力、リッターの腕はとても頼りになる一方でこんな弱点も…。

まめみ「え、フーさんリッターしか使えないの?」

スー「そうなの、兄貴は他のブキと相性が悪くてね~。」

まめみ「へぇ~そうなんだ。フーさん、何でも使いこなせそうなイメージだったから…。」

スー「リッターバカなのよ~兄貴。」

フー「おいスー、いらん事話すんじゃ無い!」

スー「ふふっ、怒られちゃった。」

まめみ「えへへっ。」

そう言って恥ずかしそうに怒るフーだったが、まめみとスーは楽しそうに笑った。

この日もみんなでナワバリをして楽しく過ごしていたが、次の日の朝…

ポナ「ゲホッ、ゲホッ…!」

ピピピッ…

まめみ「38度…すごい熱だよポナ君…やっぱりこの前の咳、風邪の引き始めだったんだね…。」

ポナ「うぅ…喉が痛い…。」

まめみ「まめお…あたしポナ君の看病するから、今日は行かないって伝えておいて。」

まめお「分かった。何か必要な物があったら電話くれ。」

まめみ「うん。」

ポナ「まめみ…僕は大丈夫だよ…だから行ってきて…。」

まめみ「だーめ!ポナ君こんなに酷い熱なんだから、心配で1人には出来ないよ。」

ポナ「…まめみ……ありがとう…。」

…あぁ…まただ…

何か…前にもこんな事があった様な…不思議な感覚…

どうしてなんだ…記憶を失う前に…こんな事があったのかな…

相変わらず何も思い出せない…

けど…まめみが傍に居てくれるのは嬉しい…

それに…ああ言ったけど…本当はまめみが残ってくれるって信じてた…

まめおが出かけた後、まめみはポナの為におかゆを準備した。

まめみ「ポナ君、おかゆ作ったよ。少しだけでもいいから食べて欲しいな。」

ポナ「うぅ…喉が痛いよ…でも…まめみが作ってくれたから…食べたい…。」

そう言うとポナはまめみに支えられながらゆっくりと体を起こし、用意して貰ったクッションにもたれかかった。

まめみ「ふー、ふー…はい、あ~んして。」

ポナ「ま…まめみ…いいよ…食べれる…から…!」

まめみ「そんなフラフラな状態じゃ無理でしょう…ここで甘えないでいつ甘えるの。」

ポナ「ん…んぅ…あ~ん…。」

頬を真っ赤に染めて恥ずかしがるポナだったが、まめみの説得に折れ、口を開けて食べさせてもらった。

まめみ「どう…?」

ポナ「うん…熱いけど…とっても美味しい…。」

まめみ「よかった。はい…もう一口。」

ポナ「あ~ん…。」

半分くらい食べた後、薬を飲んで少し眠りについたポナ。

まめみはポナが眠るまでずっと傍で優しく手を握り、洗い物をする為に台所へ…。

まめみ「……………。」

洗い物を済ませた後は、リビングでテレビを見ていたが…次第にウトウトしてソファで眠ってしまった。

それから1時間後…ポナが目を覚ました。

ボーッとする意識と視界の中で…下半身に来るものでだんだんと意識がハッキリしてきた。

ポナ「(どうしよう…トイレ…行きたいのに…体がすごく重くて動かない…。)」

迫り来る尿意の中、トイレに行きたいポナだが…熱のせいで体が言うことを聞かない…。

段々と我慢が出来なくなって来た中…手で押さえてもぞもぞし始めた…。

一方まめみも、リビングで目を覚ました。

まめみ「ん…寝ちゃってた…。」

伸びをした後、ポナの様子を見る為に部屋へ向かうと…

ポナ「あ…あぁぁ…まめ…み…!」

ベッドでもぞもぞしながら苦しそうなポナが…!

まめみ「ポナ君…!どこが苦しいの…!?」

驚いて駆け寄るまめみだったが…彼から返ってきたのは意外な返事だった。

ポナ「違う…漏れ…ちゃ…う…! 」

まめみ「えぇ…?」

ポナ「トイレ行きたかったけど…体が動かなくて…あぁぁ…も…漏れる…!」

まめみ「…待ってて、急いで袋持ってくるね!」

そう言うとまめみはリビングへ。

少し大きめの袋を用意すると、ポナの部屋へ行き…

ポナ「あ…あぁ…!」

まめみ「ポナ君、ここに出して。」

ポナ「え…えぇ…!?」

まめみ「トイレまで間に合わないよね…?だからここに出していいよ。」

ポナ「で…でも…まめみに迷惑が…あぁっ…!」

まめみ「あたしは全然迷惑じゃないよ。だから安心して、ね?」

相変わらず優しい笑顔を見せてくれる彼女に、ポナは安心感を覚えた。

ポナ「…分かった…!待って…今出す…から…。」

そう言うとポナは頑張って体を起こしてベッドに座り…パジャマのズボンと下着を少し下ろして、自身のモノを取り出した。

そして…まめみが持っている袋にモノを当てると…

まめみ「……………!」

頬を赤らめて目を瞑り、ポナの股間にしっかりと袋を当てているまめみ

よっぽど我慢していたのだろう…恥ずかしさに頬を真っ赤に染めつつ、そう思った。

しばらくして…

ポナ「はぁっ…はぁ…んっ…はぁ…。」

まめみ「お…終わった…かな…?」

ポナ「はぁ…はぁ…うん…。」

まめみは袋をトイレに持って行って後処理をした後に手を洗って部屋へ戻ると、ポナはベッドで気まずそうにしていた。

まめみ「ポナ君…どうしたの?」

ポナ「……その…やっぱり申し訳なさが…まめみは女の子なのに…あんな事…。」

まめみ「ポナ君…。」

ポナ「ご…ごめん…まめみ…あんな汚いの…」

ふわっ…柔らかくて温かい感触がした…

気がつくと、まめみが自分を抱きしめていた。

まめみ「そんな事、言わないでポナ君…。」

ポナ「まめ…み…?」

まめみ「あたし、ポナ君が大好きだもの…何も迷惑じゃないよ。」

ポナ「…まめみ…うぅ…まめ…み…!」

病気で不安定なせいなのか…まめみの優しさ、暖かさ…愛情にポナは心が暖かくなって…

彼の頬を伝って大粒の涙が零れ落ちた。

そして熱で力が入らない中、精一杯まめみの背中に手を回し…彼女を抱きしめた。

…どうして…どうしてこんなにも懐かしく感じるんだ…

でも…懐かしさとは別に…まめみの暖かさに安心して…

僕は…彼女に惹かれていく…

…………………

…まめみ…

僕…まめみが……好きなんだ…

To be continued…