まめお「ポナ、本当に大丈夫か?」
まめみ「無理しないで欲しい…。」
ブキの声を聞いた次の日、ナワバリをやりたいというポナを心配するまめおとまめみだったが…。
ポナ「本当に大丈夫だよ、みんなでナワバリやりたいんだ。」
ペコ「今日は…私も行くわ。」
まめみ「ペコちゃん…あれ?」
ペコの姿を見た2人は驚いた。
無理は無い、彼女はいつもの白インクではなく…ポナと同じ髪色になっていたのだから。
ポナ「姉さんは、戦いの時に自在に髪の色を変えられる力も持っているんだ。」
まめお「そうなのか…ペコも不思議な力をいくつか持ってるんだな。」
まめみ「でもこうして一緒にナワバリ出来るなんて、嬉しい!」
そう言うとまめみは嬉しそうにペコに抱きついた。
ペコ「…ふふっ、私も嬉しいわ、まめみ。」
そう言うと、彼女は優しく笑ってまめみを抱き返しながら頭を撫で、その様子を見ていたまめおとポナも心が和んだ。
その後、4人はナワバリへ。
今日のステージはマサバ海峡大橋とヒラメが丘団地。
最初は全員同じチームになり、マサバで楽しんで遊んでいたが…。
メンバーが入れ替わった次の試合…そこでまめおとまめみ、2人にとって忌まわしい記憶を呼び覚ます出来事があるなんて誰も知る由は無かった。
~ヒラメが丘団地~
まめおとまめみは同じチーム、ペコとポナは敵チームだった。
味方には知らないボーイと、カモメッシュを深々と被り素顔の分からないダイナモローラーテスラを担いだガール。
しかし…敵のボーイ2人と味方のボーイがさっきからずっとまめみをニヤニヤと見ていて…嫌悪感を抱いていた。
まめみ「……………。」
まめお「…まめみ、なるべく俺から離れるな…。」
まめみ「まめお…うん…。」
不安を抱きつつ、試合は開始!
しかし…敵のボーイ2人と味方のボーイの動きは明らかにおかしくて…。
まめみ「(敵が…いない…?ポナ君とペコちゃんはあっちを塗ってる…一体どこに…。)」
そう思いながらまめみが相手側の方へ降りて塗っていると…。
突然後ろから敵のインクが!!
しかしそれはまめみを狙っておらず、足下を取るように塗っていて…。
敵ボーイ1「捕まえたぞ~!」
敵ボーイ2「ナイス!」
そこには味方のボーイもいて…。
まめみ「んっ…あぁ…ちょっと…何なの…よ…!」
ボーイ「…お前、まめみだろ?」
まめみ「!?」
敵ボーイ1「まめおもいただろ、懐かしいな。」
敵ボーイ2「まだブキに話しかけてんのかよ?」
ドク…ン…!!
まめみの背中を嫌な汗が伝う…
こいつらは…昔…あたし達をいじめてた…
…こんなところで…再会するなんて…!
まめみ「……………!」
目を見開き…青ざめた顔をしたまま、ハイドラントを強く握るまめみ…。
ハイドラント「(まめみ…!)」
ボーイ「ガキの頃に引っ越して以来か?それにしても…随分と可愛くなったじゃねぇか。」
敵ボーイ1「…体も発育がいいみたいだな、美味そうだぜ。」
敵ボーイ「さぞかし良い声出すんだろ?」
そういうと3人はいやらしく笑い、まめみからハイドラントを無理矢理奪って投げ捨てた。
まめみ「ハイドラント!!」
ボーイ「おら、俺達の相手しろよ!」
まめみ「痛っ…いや…やめ…て…!」
ボーイはそう言うと、まめみのゲソを掴んで勢いよく引っ張った。
まめみは苦痛に顔を歪めたが、そのままの勢いで壁に背中からぶつけられ、ズルズルと力が抜けて座り込んだ。
敵ボーイ1「昔から…まめおに守られてたけど…今は誰も守ってくれないぜ、まめみ?」
そう言うと、ボーイ達は乱暴にまめみのゲソを引っ張ったり…服の中に手を入れてまめみの胸を激しく揉み始めた。
まめみ「いやっ…あ…あぁん…!(まめお…助けて…!!)」
恐怖と痛みで桃色の瞳からは涙が零れ落ちた。
その頃…まめおは気づいた!
まめみやあのボーイ達が居ない事に…。
まめお「まめみ…!まさかあいつらに何かされて…!?」
一方、異変に気づいたポナとペコもまめおの元へ来た。
ポナ「まめお!」
まめお「ポナ、ペコ!まめみを見なかったか!?」
ペコ「いいえ、見てないわ…。でも…さっきからおかしいのよ。私とポナしか塗ってる様子が無いわ。味方のボーイ2人がいないの…。」
まめお「こっちにいないって事は…向こう側にいるんだな…!」
ポナ「僕達も行くよ!」
ペコ「今は勝負は関係無いわ、一緒にまめみを探しましょう!」
まめお「悪いな2人共…行こう!」
そう言うと3人はまめみを探しに反対側へ…。
一方その頃まめみは…。
まめみ「いや…あぁぁん…!」
ボーイ「抵抗すんな!」
ぐいっ!!
まめみ「っ………!!」
抵抗する度に、彼女の長いゲソを強く引っ張り乱暴するボーイ達…。
次第に手はまめみのスパッツの中に入れられて…
もう駄目だ…そう思って強く目を瞑ったその時!!
まめお「まめみ!」
まめみ「まめお…!」
ポナ「お前ら…何してるんだ!」
ペコ「女の子に暴力振るうなんて…!」
ボーイ「ちっ…まめお…!テメェは昔っからすぐに嗅ぎ付けてきやがるぜ!ブキに話かけるだけじゃなくて、お前らはテレパシーも使えるのか?」
まめお「……っ……お前ら…まさか…!」
ペコ「まめお…この人達は…?」
まめお「……こいつらは…昔…俺達がこの団地に住んでた頃、この力を知っていつもいじめてた奴らだ…。」
敵ボーイ1「あぁ、そうだぜ。まめみがいい女になってたから、喰ってやろうと思ってたんだ。」
ポナ「この…この…!」
怒りで震えるポナはN-ZAP85を構えたが…
敵ボーイ2「おっと、動くなよ。少しでも動けばまめみを撃ち抜くぜ?」
そう言うとまめみの頭にブキの銃口を構えた。
飛び散るインクはとても痛い…それをゼロ距離で撃たれた日にはひとたまりも無い…。
ペコ「何て卑怯な…!」
ボーイ1「うるせぇな。構わねぇ、やっちまおうぜ。」
敵ボーイ2「そうだな。」
まめみ「あ…あぁ…!」
恐怖で震えるまめみ…
しかしその時!!
上空から大きな影が降ってきて…
敵ボーイ1「な、何だ!?うわあぁぁ!!」
敵ボーイ2「テスラ…!?この野郎…うわっ…!!」
1人はテスラの攻撃で、もう1人はサブのスプラッシュボムで倒れた。
飛び散るインクの中、まめみの目の前にはテスラを担いだ味方のガールが立っていた。
ボーイ「お前等!…て…テメェ何しやがる!」
ガール「何しやがる…?それはこっちのセリフよ。男3人が女の子に外道な事やってんじゃないわよ。」
そう言うと、ガールは深々を被ったカモメッシュを取った。
ライトブルーの髪に切れ長の緑色の目…スレンダーな体つきの少女は、目の前で悪態をつくボーイを睨みつけていた。
まめお「!!お前は…!」
ガール「…あぁ、あんたこないだの…。」
そう言うと、ガールはまめみの方を向いてしゃがみ、彼女の手を掴んで優しく抱き起こした。
まめみ「あ…あの…。」
ガール「…怖かったわね…よく頑張ったわ、もう大丈夫よ。」
そう話す彼女の口元は優しく笑っていて…まめみは安心感に包まれた。
ボーイ「…く…くそ…!」
そう言ってボーイはインクの中を泳いで行った…
ポナ「う…ぐっ…うあぁぁぁ…!」
まめお「ポナ!!」
怒りを抑えきれないポナはダイオウイカに変身して、そのまま3人を追い回し始めた!
ペコ「ポナ!」
ガール「ちょっと…な、何なのあれ…!?」
まめみ「ポナ君!止めないと…!」
まめお「ポナ!やめろポナ!」
ポナ「フーッ…フーッ…!!」
ペコ「ポナ!」
まめみ「ポナ君!」
その後…3人でポナに必死で呼びかけて…ポナは自我を取り戻してその場に項垂れた…。
ポナ「僕…僕…また…!」
ペコ「ポナ…。」
追い回されたボーイ3人は試合放棄をして逃げて行き、その後ブロックをして2度と会わない様に手続きを済ませた。
そして…助けてくれたガールと共にロビーを出た。…。
まめみ「あの…さっきはありがとう…。」
ガール「どういたしまして。」
まめみ「あ…まだ名前を…あたしは…。」
ガール「まめみでしょう?さっき全部聞こえてたわ、ブキと会話が出来ると言う事も。あんたのダイオウイカの力も、通常のスペシャルとは違うんでしょう?」
まめお「…………!」
まめみ「あ………!」
ポナ「………っ………!」
ガール「大丈夫、あたしはどんな力を持っていようが気にしないわ。みんなそれぞれ違うんだし。」
まめお「お前…。」
まめみ「あ…ありがとう…。あの…あなたは?」
スー「あ、まだ名前を教えてなかったわね。あたしはスー、よろしくね。」
まめみ「よろしくね、スーちゃん。」
まめお「よろしくな。」
スー「ポナにペコ…あんた達も…よろしくね。」
ポナ「う…うん、よろしく…。」
ペコ「よろしくね。」
サバサバした性格の彼女にやや戸惑いつつも、ポナとペコも挨拶をした。
まめみ「ねぇ、せっかくだからスルメさんのお店でみんなでご飯食べようよ。」
まめお「お、いいな~早速行こうぜ!」
まめみの提案で、スーを連れてスルメさんのお店へ…。
スルメさん「おぉ~みんないらっしゃい。ん、新しい友達かいな?」
まめみ「うん、スーちゃんって言うの。」
スー「よろしくお願いします。」
スルメさん「お~ゆっくりしていってな~。よっちゃん、ご飯頼むで~。」
よっちゃん「あらあら、可愛い子がまた1人増えたわね~待っててね!」
そう言うとよっちゃんは嬉しそうにルンルン気分で台所へ向かった。
その頃…まめみ達はそれぞれブキの手入れをしながら会話を楽しんでいた。
まめみ「スーちゃんは、どうしてハイカラシティに?」
スー「…あたしね、生き別れの兄貴を探してるの。」
ポナ「生き別れのお兄さん…?」
スー「フーって言うんだけどね、凄腕のチャージャーなのよ。凄腕のチャージャーがいた噂を聞いて来たの、もしかしたら兄貴かもって思って。」
ペコ「…お兄さんにはまだ…?」
スー「…まだ再会出来てない。」
まめお「そうなのか…。」
スー「でも、必ず会える…強くそう思うの。だから諦め無い。」
そう話す彼女の瞳には強い決意が籠もっていた。
しばらくして…
よっちゃん「ご飯出来たわよ…。」
食事が運ばれて来たが…よっちゃんは少し困った様子だった。
まめお「どうしたんだよっちゃん。」
よっちゃん「それがね、みんなに新しく作った新作のサラダを食べて貰いたくて野菜を仕入れてたのに…どこにも見当たらないのよ…。」
スルメさん「またかいな?ちょっと前にもご飯が消えたりしてるさかい…まさか本当に泥棒でも入ってるんか…?」
よっちゃん「やだわ…もしそうなら怖い…。」
スルメさん「警察に一応聞いてみるかいな…。」
よっちゃん「そうね…とにかく、みんなはご飯食べちゃいなさい。」
まめお「あ、あぁ…。」
少し不安を覚えつつも、みんなは食事を始めたのだった…。
To be continued…