小説「束の間の春」~幼児化した2人~

何と2人の体は小さくなり…幼児化していたのだった!

まめみ「ど…どうして2人が…と、とにかく電話…!」

そう言ってまめみはある人物に電話をした

その相手とは…

ピリリリリ…

まめお「ん…誰だよ……。」

スルメさんのお店に泊まりながら手伝いをしていたまめお、昨夜のスーとの熱い夜を過ごした疲れもあり、ぐっすりと眠っていたのだ。

まだ寝ぼけつつもイカスマホの通話ボタンを押すと…

まめみ『まめおーーー!!』

通話口の向こうからはまめみの叫び声が!

まめお「うわぁっ…ま、まめみ!?」

スー「ん…どうしたの…?」

その声に、隣で寝ていたスーも起きた…

まめお「まめみ、どうした!?」

まめみ『ぽ、ポナ君とツっくんが…あぁ…!』

まめお「2人がどうしたんだ?」

まめみ『ち…ち…!』

まめお「ち?血が出てるのか?」

まめみ『ち…ちが…あぁ…2人共、喧嘩しないでー!とにかくみんなを連れて今すぐ帰って来てー!!』

プツッ…そう言うとまめみは電話を切ってしまい…

まめお「お、おいまめみ!?」

スー「な、何だったの…まめみに何かあったの…!?」

まめお「分からねぇ…ただみんなを連れて今すぐ帰って来てって言ってた…。」

スー「相当慌ててる様子だったし…とにかくすぐに行った方がいいわね。」

まめお「そうだな…スーはフー兄とペコに連絡してくれ、俺はスルメさんとよっちゃんを呼んでくる!」

スー「分かった!」

2人は起きて着替えると、それぞれ動き出した。

スーはペコの家に泊まりに行っていたフーに連絡をして、まめおはスルメさんとよっちゃんを呼びに行き、幸い店は休みだったのでそのまま4人で店を出た。

その途中でフーとペコの2人に合流し、6人はまめみの待つ家へ…

すると…

まめみ「まめお…みんな…!」

まめお「まめみ、一体何があったんだよ。」

まめみ「とにかく中へ…!」

そう言ってまめみはみんなをリビングへ連れて来た。

そして…

まめみは自分の部屋へ行き…部屋から2人の子供を連れて来た…。

まめお「あ…あぁ!?」

スー「えっ…!?」

ポナ「………………。」

ツネ「………………。」

まめお達は驚いた、目の前に居るポナとツネはヒトの姿ではあるものの…幼児化しているのだから…

年齢で言うと4~5歳位だろうか、小さくなった2人は本来の姿の服のサイズが合うはずも無く、ぶかぶかである。

スルメさん「こりゃたまげたな…どうしてこんな姿になってしまったんや…?」

まめみ「分からないの…飴を飲み込んでしまった後に突然…。」

よっちゃん「飴…?」

ポナ「ツネが持ってきたあめだよ…まめみにたべさせようとして…それをおれがそしして…もみあいになったときにおちてきて…のみこんじゃって…そしたら…。」

ツネ「…ぼくだってこんなことになるなんてしらなかったよ…。」

そう言ってツネはまめみの元へ行ってぎゅっと抱きついて…

まめみ「ツっくんのせいじゃないよ…よしよし…。」

そう言うとまめみはツネを優しく抱きしめて頭を撫でた。

しかしポナはそれを見て、ぷくーっと頬を膨らませて…

ポナ「まめみからはなれろ-!」

まめみの元からツネをぐいっと引き離すと、今度は自分がまめみにぎゅっと抱きついた。

ツネ「なにするんだ!」

そう言って今度はツネがポナを引き離し…

2人「このー!」

とうとうお互いにポコポコと叩いて喧嘩を始めた…

ペコ「ポナ、やめなさい。」

まめみ「ツっくんもやめて!」

ペコがポナを、まめみがツネをそれぞれ抱っこして離した。

ポナ「ねえさん…。」

ペコ「…ふふっ、ポナが小さい頃を思い出すわね。」

ポナ「ねえさん…おれはこどもじゃないって…!」

ペコ「それのどこが子供じゃないの?」

ポナ「むうぅ…!」

わざとらしく聞いてくるペコに、ポナは頬をぷぅーっと膨らませて拗ねてしまった。

ペコ「ごめんね、ほら…ポナの好きなお菓子よ。」

そう言うとペコは着ていたボンバージャケットポジのポケットから、ポナの好きなお菓子の小さな袋を出して袋を開けて差し出した。

ポナ「もぅ…またこどもあつかいして………おいしい!」

まだプリプリと怒りつつも、ポナはお菓子を頬張った。

フー「何だかスーが小さい頃も思い出すな…こんな感じで小さくてお転婆で…。」

スー「あ、兄貴…!」

フー「悪い悪い、それはさておき、どうしたら2人が元に戻るかだな…。」

まめお「そのうち元に戻りそうな感じではあるけどな…1日で戻るとも限らねぇし…。」

スルメさん「本とか読みながら、解決策を探すしかなさそうやな…。」

よっちゃん「そうね…ハイカラ図書館なら膨大な本があるし、大昔のニンゲンの残した本とかに何か書いてあるのかもしれないわね。それにしても…」

そう言うと、よっちゃんはポナをとツネを抱き上げた。

ツネ「わわっ…!」

ポナ「よっちゃん…!」

よっちゃん「こんな姿になっちゃったけど…2人共可愛いわね~!まめお君とまめみちゃんに会った時はもう少し大きかったけど、いつか孫が生まれたらこんな感じになるのかしら。」

そう言いながらよっちゃんは2人の頭を撫でているのだった…。

スルメさん「よっちゃん、気持ちは分かるけど今はとにかく図書館へ行くで…。」

よっちゃん「あ、そうだったわね…ごめんなさい。」

スー「あたし達も一緒に調べて来るわ、何かあったらまた連絡してね。」

まめみ「うん、ありがとうスーちゃん。」

みんなは一度帰り、まめおは子供用の下着や服を買いに行った。

しばらくして…

まめお「ただいま、とりあえずこれで大丈夫か?」

まめみ「うん、ありがとうまめお。」

ポナ「かってきてくれたのはうれしいけど…まめお…パンツはこれいがいなかったの…?」

そう言ってポナが手に取ったのは、白いブリーフ…

まめお「仕方ねぇだろ、4~5歳くらいだとそういうのしか無かったんだよ。」

ポナ「むぅ…そうなんだね…。」

まめお「ところでツネ…この飴を作ったのはお前の仲間か?」

ツネ「…………………。」

まめみ「ツっくん…。」

ツネ「…じっさいのところはわからないよ…でも、おじいさまなら…なにかしってるかも。」

まめお「そうか…とにかく2人共着替えてこい、話はそれからだ。」

ポナ「うん、わかった…。」

2人はそれぞれ別の部屋で着替えて着たが…

まめみ「2人共、可愛い…!」

パーカーに身を包んだポナと、セーターに身を包んだツネ…

その小さい姿は可愛らしくて、まめみはついぎゅっと抱きしめてすりすりしてしまう…

ポナ「ま、まめみ…!」

まめみ「あ、ごめんね…可愛くてつい…。」

ツネ「とにかくおじいさまにでんわするよ…。」

そう言うと、ツネはイカスマホを手に取ってタコワサにテレビ電話をかけた…。

まめみ「どうしてテレビ電話…?」

ツネ「おじいさまはぼくのかおをみないとあんしんできないみたいで…。」

まめみ「そ、そうなのね…。」

まめお「ツネを溺愛してるんだもんな、アイツ…。」

孫のツネを溺愛しているタコワサならそうなるのも納得がいく…まめおとまめみはそう思ったのだった。

同じ頃…

タコワサ『HEY!HEY!ワサワサ!ツネからの電話はまだか~!』

そんな事を言いながら山葵を磨りまくるタコワサであったが…

ピリリリリ…ツネからのテレビ電話の音を聞くと、すぐさまタコ足を伸ばして取り、器用にボタンを押した。

ツネ『……おじいさま…。』

タコワサ『…………………。』

画面越しのツネはいつも見慣れた青年ではなく、幼い子供の姿で…タコワサはそのまま言葉を失いブルブルしていて…

ツネ『あの…おじい…さま…?』

もう一度声をかけると、タコワサは目をカッと見開き…

タコワサ『何ということだツネ、そんな可愛い可愛い姿になってしまって…!』

ツネ『それが…こんなあめをまちがえてのみんでしまったらこんなすがたに…』

タコワサ『可愛いのう…もちろん大きくなったお前も本当に可愛いぞツネ~!』

ツネ『お、おじいさま…ぼくのはなしを…』

タコワサ『ワシの孫は世界一、いや宇宙一だ!』

そう話すタコワサは完全に溺愛モードで、ツネは段々とげんなりしてきてしまった…。

ポナ「おい、はやくもとにもどせよ!」

見かねたポナが横から映り込み、タコワサに文句を言ったが…

タコワサ「………………ギギ…ナゼ3ゴウガソコニイルノダ…シカモオマエマデヨウジカシテイルトハ…。」

ポナ「ここはまめみのいえだよ、そんなことよりはやくもどせ!」

タコワサ「ワシハシラン、ソレヨリワシノカワイイツネヲハヤクウツセ。」

ポナ「このジジイ…!」

まめみ「ポナ君、抑えて…。」

まめお「気持ちは分かるけど、落ち着けポナ…。」

そう言ってタコ足でシッシとするタコワサに、ポナはイライラしていて…そんなポナをまめみとまめおがなだめ……

ツネ『おじいさま…ぼくたちもとにもどりたいんだ…。』

タコワサ『そうは言ってもな…飴で体が幼児になるなんて聞いた事が無いぞ。』

困ってしまうツネだったが…脳裏にある人物が浮かんだ!

ツネ『…そうだ、エン…エンはいる!?』

タコワサ『エンなら、今はざくろの練習相手をしているから居ないぞ。』

ツネ『それじゃあ…エンが帰って来たら連絡をするように伝えて…くれぐれもざくろにはこの事は言わないで…。』

タコワサ『分かった、伝えておこう…ところでツネ…。』

ツネ『どうしたの、おじいさま…?』

タコワサ『あとで写真を送ってくれ!可愛い姿をしっかりと残しておかねば!』

ツネ『…………わかった…おくっておくよ………。』

げんなりしつつもツネは返事をして電話を切った。

まめみ「ツっくん、タコワサは何て…?」

ツネ「…おじいさまじしんは、げんいんがわからないそうだ…。」

まめお「それじゃあ、このままなのか…?」

ツネ「ぼくのなかまにこれにくわしそうなひとがいるんだ…いまはでかけているから、かえってきたられんらくをしてもらうようおじいさまにたのんだ。」

まめみ「そうなのね…。」

まめお「まめみ、とりあえず俺もスー達の所へ行って手がかりを探ってみる…ツネの仲間から連絡が来たら教えてくれ。」

まめみ「うん、分かった…。」

まめおは家を出てスー達の待つハイカラ図書館へ向かい、まめみ達はツネの仲間…エンの連絡が来るまで待つ事にするのだった。

To be continued…