小説「ハイカラ娘の蛮殻探訪」~身籠もった命~

アタリメ相談役の行方を捜しつつ、任務を進めて行くまめみ達

サイト5まで来ると難易度も更に上がり、タコドーザーの目をかいくぐって進めるミッションや謎解きの要素も多くなってきたが、力を合わせて進んで行き…

夜、シオカラキャンプの部屋でポナと共に道中で手に入れた「オルタナログ」に目を通していたら…ある事が分かった。

まめみ「この「オルタナ」は、かつて生き残った人間達が作った場所だったのね。」

ポナ「技術の進化で結局また自分達を滅ぼしてしまったのか…そしてその遺伝子が溶け込んで、俺達の祖先であるイカ達は地上に上がったと。」

まめみ「次のサイト6は最後の場所…そこでまた新しい事が分かるのかな、そして今度こそアタリメさんも…。」

ポナ「かもしれないね、今度こそ助け出そう。」

まめみ「うん。」

ポナ「それじゃあ、明日も早いから休もう。」

まめみ「そうだね。」

ポナ「おやすみ、まめみ。」

まめみ「おやすみ、ポナ君。」

キスをするとポナは自分の部屋に戻り…まめみもドスコイまると共にベッドに横になった。

ドスコイまるは今日も自分のお腹にくっついて寝始めて、まめみもじきに眠りについたが…

夢の中…真っ白な不思議な空間にいるまめみ

周りを見渡しても何も見えなくて…足元は薄く水が張っている

すると、お腹がじんわりと温かくなってきた

そっと触ると…

トクン…トクン…

お腹から鼓動が聞こえてくる

次の瞬間、光につつまれて…目を覚ました時には自宅のリビングに居て…

視線の先にはポナが居る、そして彼が抱いているのは………

そこで夢は終わり、目を覚ましたまめみはお腹を押さえた

ドスコイまる「キュ…すぅ…すぅ…。」

まめみ「まさか…ポナ君がバンカラに行く前の日の…ドスコイまる、貴方はもう気づいてて…?」

最近になって疲れやすくなった事、そしてドスコイまるがお腹ので寝る様になった理由…

自身が「妊娠」している事をまめみは理解した。

ずっと望んでいたポナとの子供、湧きあがる喜びを噛みしめるのと同時にせめてこの任務を終えるまでは頑張ろう…そして彼にはまだ知らせないでおこうと強く決意したのだった。

翌朝

ドスコイまる「キュ、おはよ。」

まめみ「おはようドスコイまる。…ありがとう、ドスコイまるは赤ちゃんの事に気づいてたのね。」

ドスコイまる「キュ、うん。」

まめみ「ドスコイまる、この任務が終わるまでは…ポナ君には内緒にしてて。」

ドスコイまる「キュ、どうして?」

まめみ「…知ったら、あたしを任務から外してアタリメさんの事も自分で何とかしようとしちゃう…だからお願いドスコイまる。」

ドスコイまる「キュ、わかった!」

まめみ「ありがとう、ドスコイまる。」

それからまめみはお腹への負担を考慮しつつ、任務を急いで進めて行った。

深い霧の中を進んだり、限られたのインクでカーリングボムのみでクリアするなど過酷なミッションも増えたが、まめみは慎重かつスピーディーにこなしていき…夜、ついにサイト6の頂上へ辿り着いたのである。

ポナ「頂上へは着いたけど暗すぎる、今日は休んで朝になったら向かおう。」

まめみ「分かった。」

食事やお風呂を終えた後、まめみはサイト6で手に入れたオルタナログをポナと共に見ていた。

ポナ「地上に上がったイカ達が、今の俺達の始祖に繋がっているのか。」

まめみ「タコ達が勤勉なのは、この科学者達の遺伝子が強く出てたりするのかもね。」

しばらく2人で話した後、ポナは自室へ戻ったが…

ドスコイまる「キュ、まめみ…どこかいたい?」

まめみ「ううん、少しだけ苦しい…ゲホッ…ゲホッ…!」

ビチャッ…!

突然まめみが咳き込み、ほんの少しだけピンク色のインクが口から吐き出されてしまった。

ドスコイまる「キュッ、まめみだいじょぶ!?」

まめみ「うん、赤ちゃんが居るからインク漏れが起きちゃってるのね。」

インク漏れ…人間で言う所のつわりに似た様なもので、生まれてくる子供のインクの色が異なる場合に起きる事が多い。

まめみはそっとお腹を触り、元気に育っている事を願いつつドスコイまるを優しく抱き上げた。

ドスコイまる「まめみ、ぼく…おにいちゃん?」

まめみ「ふふっ…うん、ドスコイまるはお兄ちゃんになるんだね。」

ドスコイまる「キュッ、ぼくおにいちゃん!」

まめみ「頼もしいお兄ちゃんだね。」

まめみの胸に顔をうずめて甘えるドスコイまるを、まめみは優しく撫でて…そのままベッドに横になって仲良く眠りについたのだった。

翌朝…改めてサイト6の頂上へ来たまめみは、強い決意を胸に中へ入った。

ポナ『強い反応がある、今度こそアタリメ相談役だといいんだけど…。』

しかしその期待も虚しく、その場に立っていたのは…

マンタロー「エイ!(待つんだ!)」

まめみ「貴方はすりみ連合の…!」

マンタロー「エーイ!(お宝は譲れない!)」

まめみ「戦うしかないのね…!」

マンタロー「エエエエイ…エイッ!(本当は戦いたくないけど…バンカラの為に!)」

そう言うとマンタローの周りに緑の光が現れて、彼の体のあちこちにも緑のインクが…

まめみ「(どんな攻撃を…!?)」

警戒するまめみの前で、あっという間に緑のインクまみれになったマンタローは、突然地面に飛び込み…

自身の「家紋」の柄が付いた特殊なインクと共に、巨大な緑の「影」となって襲いかかって来た!

To be continued…