同じ頃、まめおは家で部屋の片付けを終えていた
まめお「これでいいな、後はスーを待つだけか。」
外を見ると暗くなってきていて…初夏で日が延びたとはいえ心配になるが、時間的にももうすぐ来るだろう…まめおはそう思い家で待つのだった。
しかし…いつまで経ってもスーが来る気配は無く、連絡をしても繋がらない…
心配になったまめおはスルメさんに連絡をした。
スルメさん「おうまめお、どないしたの?」
まめお「スルメさん、スーは居るか?」
スルメさん「スーならお前の所に泊まりに行くって1時間くらい前に出たんやけど、もしかしてまだ来てないんか?」
まめお「あぁ…。」
スルメさんのお店から家までは10分もあれば着く距離…
ドクン…ドクン…
まめおは嫌な予感がした…。
スルメさん「ちょっと店の周り捜して来るわ。」
まめお「俺も捜す、まめみ達にも連絡しておくよ。」
スルメさん「分かったで。」
2人はそれぞれお店の周りや家の周りを捜したが、スーの姿は無く…まめおはイカスマホを手に取り、まめみに電話をかけた
同じ頃…
ポナ「まめみ、大好きだよ。」
まめみ「んっ…ポナ君、ごはんもお風呂もまだなのに…。」
ポナ「そんなの後でいいよ…先にまめみを食べたいの。」
そう言ってポナがまめみにキスをしようとしたその時…
ピロロロロン…まめみのイカスマホの電話が鳴った。
まめみ「あ…まめおだ。」
ポナ「ん…後でいいよ…。」
お構い無しにキスをしようとするポナだったが…
まめみ「だ~め!急な連絡だといけないでしょ。」
そう言ってまめみに手でガードされてしまいお預けに
ポナ「むうぅ…お預け………。」
そう言って少しだけ口を尖らせて不満そうにしながらも胸に顔をうずめるポナをよそに、まめみは通話ボタンを押した。
まめみ「もしもし、どうしたの?………え、スーちゃんが?うん、あたしもそっちに行く。」
ポナ「まめみ、スーがどうかしたの?」
電話を終えたまめみに、ポナは只事ではないと察して訪ねた
まめみ「スーちゃんが1時間くらい前にお店を出たのにまだ来て無くて、スルメさんとまめおがそれぞれ捜してるけど見つからないし連絡もつかないって…あたしもスルメさんの所に行ってくる。」
ポナ「俺も行くよ。」
そう言うと2人は急いで準備をして、スルメさんのお店に向かった。
しばらくして…
まめみ「よっちゃん!」
よっちゃん「まめみちゃん、ポナ君…!」
ポナ「スーはまだ…?」
よっちゃん「えぇ、私達も連絡してるんだけど全然…。」
ポナ「俺がスルメさんと一緒に捜してくる、暗くて危ないしスーが戻ってくるかもしれないから、まめみはよっちゃんとお店で待ってて。」
まめみ「うん、分かった。」
よっちゃん「気をつけるのよ、ポナ君。」
ポナ「うん、ありがとう。」
そう言うと、ポナは外へ出て行った。
まめみ「よっちゃん、フーさんとペコちゃんは…?」
よっちゃん「ペコちゃんには連絡が付いたんだけど、フー君がまだお仕事終わって無くて…ペコちゃんお迎えに行って待ってるから、終わったらすぐに伝えてくれるって言ってたわ。」
まめみ「そうなのね。」
心配でたまらないまめみ…イカラインでメッセージを送ったり電話をかけるものの、やっぱり繋がる事は無く…
相変わらずお店の周りではスルメさんとポナ、家の付近ではまめおがスーを捜していて…不安は募るばかり…
その後…仕事が終わりペコから連絡を受けたフーが戻ってきた。
フー「よっちゃん、スーは!?」
よっちゃん「フー君、ペコちゃん…まだ見つからないわ…。」
まめみ「あたしも連絡したけど繋がらないの…。」
ペコ「私達も連絡したけど同じだったわ、一体どこに…。」
フー「俺も捜す、まめみ達は引き続き連絡してみてくれ。」
まめみ「うん、分かった。」
フーも捜索に加わり捜し続けたが、そこから3時間…スーの姿も手がかりも無いままだった…。
その後フー経由で捜索願を出しお店に戻った一同…まめおもお店に来て、みんなでスーの安否を心配していた
まめお「スー…!」
フー「まめお…。」
まめお「すまねぇフー兄…俺が迎えに行けばこんな事には…!」
フー「お前のせいじゃない、だから自分を責めるな。」
不安で堪らない中で謝るまめおに、フーは優しく声をかけて背中を撫でた
部屋の外の廊下では、まめみが1人立っていて…
『おかけになった電話は……』
まめみ「やっぱり繋がらない…。」
落ち込んで俯いていたまめみに、ポナが声をかけた
ポナ「まめみ。」
まめみ「ポナ君…。」
ポナ「大丈夫、スーは必ず無事に見つかるよ。」
まめみ「うん…。」
桃色の瞳に涙を溜めて震えるまめみを、ポナは優しくも強く抱きしめた。
同じ頃…ハイカラシティから少し離れた薄暗くて誰も近寄らない場所に、スーの姿はあった。
スー「…ん……っ………!」
ズキン…お腹に残る鈍い痛みに、スーは顔を歪めた。
カシャン…
手足はイカの姿になっても形が自在に変わり拘束してくるインクリング専用の鎖で繋がれていた。
謎の男「…気がついたか、スー。」
スー「その…声……!」
忘れもしない…その声の主は…幼馴染みであり…自分を兄と引き離した張本人…。
リスティヒ「久しぶりだな?」
スー「リスティヒ…あんた…どうしてここに!?」
目の前に居たのは、2年前まめみを襲い…その後逮捕されウデマエも剥奪されて追放されたはずのリスティヒだった…。
To be continued…