フェスが終わった次の日の事…
~海上集落シャケト場~
小さなコジャケ達がおシャケさまの元へやってきた。
コジャケ1「おシャケさま~!」
おシャケさま「どうしたんだい?」
コジャケ2「きのうね、イカたちのまちがおまつりしてたの!」
コジャケ1「キラキラしてて、はなびがパーンしてた!」
おシャケさま「あぁ、昨日はフェスというお祭りをやっていたからね。」
コジャケ1「たのしいのかな?」
おシャケさま「きっと楽しいと思うよ、我々の世界でもやってみたいね。」
コジャケ1「でもぼくたちは、おシャケさまのおはなしのほうがたのしい!」
コジャケ2「おはなし、おはなしきかせて~!」
いつの間にかたくさんのコジャケ達がスプーンを振りながらおシャケさまの元へ集まり、中にはよじ登るコジャケも…。
とぐろ「おいおいチビ共、おシャケさまを困らせるんじゃないぞ。」
コジャケ1「こまらせてないもん、ぼくたちいいこだもん!」
テツ「あのなぁ…。」
おシャケさま「大丈夫だよとぐろ、テツ、子供達にお話を聞かせるのは私の楽しみでもあるからね。」
そう言うとおシャケさまは語り始めた…
あるシャケとイカの交流…とぐろとまめみ達のお話を…
コジャケ達は興味津々に聞いていて…お話が終わると皆が目を輝かせていた。
コジャケ2「そのイカたち、ぼくたちともなかよくしてくれる?」
おシャケさま「もちろんだよ、まめみちゃん達ならお前達の事も大事にしてくれるだろうね。」
テツ「子供らに話して聞かせるおシャケさま、いつも楽しそうだよな。」
とぐろ「あぁ、おシャケさまは大の子供好きだからな。」
テツ「子供って言えば…ドスコイまるはどうしてる?」
とぐろ「シャケ子が毎日あやしてるぜ、ずっとべったりさ。」
テツ「そうか、幸せそうで何よりだ。」
とぐろ「おかげさまでな。」
そんな事を話して笑い合っていたとぐろとテツだが…おシャケさまの元へシャケコプターが飛んできた。
シャケコプター「おシャケさま、タコワサ様からのお手紙です。」
おシャケさま「ふむ…タコワサ殿から?」
そう言って手紙を受け取り、読み始めたおシャケさま…
すると手紙からハラリと1枚の紙が落ちた。
とぐろ「おシャケさま、落ちましたよ。」
そう言って拾い上げたとぐろは驚いて赤い瞳を見開いた。
テツ「どうしたんだ、とぐろ?」
そう言ってとぐろの拾った紙を見たテツもまた、驚いた表情をした。
その紙は結婚式の招待状で、そこに書かれていた新郎新婦の名前はタコワサの孫と…まめみ!
おシャケさま「驚いたね、タコワサ殿の孫が結婚をするとか…しかも相手はまめみちゃん…。」
とぐろ「どういう事だ、まめみにはポナが…!」
テツ「ついこの前まめみとポナに会ったけど、全然そんな様子は無かったのに…!?」
おシャケさま「む………これは…!」
とぐろ「どうかなさいましたか、おシャケさま!?」
おシャケさま「この匂い…シャケ子が卵焼きを作ったね、私にも食べさせてくれないかい?」
そう言うおシャケさまに、とぐろとテツはガックリときた…
テツ「おシャケさま…何てマイペースな…。」
おシャケ「すまないね、テツ…あまりにも美味しそうな匂いで我慢出来なくてね。」
とぐろ「ははっ…今お持ちしますんで少々お待ちを。」
そう言って少し困った様に笑いつつ、とぐろはテツと共に家へ向かったが…
おシャケさま「(それにしても一体何が起きたというのだ…?タコワサ殿の勘違いという訳でも無さそうだし、これは2人にとって何か大きな試練が訪れようとしているのかもしれないね…。)」
表向きはマイペースなおシャケさまだが…長い時を生きてきたこのお方、その経験や知識は膨大なものであり…これから起きるであろう危機を察知して、2人の身を案じるのであった。
その頃…まめみはツネと待ち合わせて、一緒に日用品を買う事にした
まめみ「まだ引っ越してきたばかりじゃ食器や服とかも全然足りないよね、あたしが使ってるオススメの食器や調理器具があるから紹介するね。」
ツネ「ありがとう、まめみが一緒だと心強いよ。」
まめみ「そう言えば…ツっくんはどうしていつも顔を隠してるの?」
ツネ「恥ずかしいから、外に出る時は基本的にオシノビニットで隠してるんだ。」
まめみ「そうなんだ、ツっくん子供の頃から恥ずかしがり屋さんだったもんね。」
ツネ「まめみもそうでしょ?それに泣き虫だった。」
まめみ「えぇ…ツっくんたら…!」
ツネ「ごめんごめん、まめみと会えて…こうしてまた一緒にいられるのが夢みたいで嬉しくて。」
まめみ「ふふっ、あたしも嬉しいよ。」
2人で笑い合い、その日は色んなお店を回った。
まめみがオススメの調理器具を買い、下着や服も一通り買い揃えて…
ある程度の物を揃えた所で休憩をする事に…
ツネはソフトクリームを買って、2人で食べ始めた。
ツネ「ん、美味しい。」
まめみ「でしょ?ここのチョコソフト、すごく人気なんだよ!」
そう言って美味しそうに食べるまめみ…
すると…
ツネ「それじゃあ一口…。」
パクッ…
まめみ「……………!!」
突然ツネが顔を近づけて、まめみのソフトクリームを一口食べてしまった…
ツネ「ん、本当だ…甘い…。」
そう言って口の端に残ったのをペロッと舐め取る姿も妖艶で……昔一緒に遊んだ同い年の男の子ではなくて1人の男性で…まめみはつい意識してしまってドキドキしてしまった…。
まめみ「………………。」
ツネ「どうかした、まめみ?」
まめみ「え…あ、ううん…何でもない…!」
ツネ「そう?でも顔が赤いよ?」
まめみ「ほ、ほんとに大丈夫…!」
ツネ「それならいいけど…あ、お礼に僕の方も一口あげるよ。」
まめみ「え…えぇ…!?」
ツネ「ほら、溶けちゃうよ?」
まめみ「う…うん…。」
ドキドキしつつも…まめみはゆっくりと顔を近づけて……
ペロッ…一口舐めた…。
ツネ「どう…?」
まめみ「…美味…しい…。」
ツネ「よかった。」
そう言って優しく笑い、再び食べ始めたツネ…
まめみ「………………!」
これって…か…間接…キス……
どうして…あたし…こんなに…意識…して……?
相手は幼馴染みのツネなのに…まめみは何とも言えないもどかしさを感じつつ、再びソフトクリームを食べ始めたのだった…。
To be continued…