小説「ハイカラ娘の蛮殻探訪」~立ちはだかる敵~

翌日、まめみは朝食を食べ終えた後に調査へ出かけた

サイト3ともなると高所でのミッションも増え、敵であるケバインクだらけのオクタリアン達も手強くなっていた。

それは体力も精神力も大きく削られ、休息を取りながら少しずつ調査を進める形となっていき…終えた頃には到着から2週間経っていた。

まめみ「かなり時間がかかっちゃった…アタリメさんが大丈夫だといいんだけど…。」

ポナ「今の所連絡も無いし、大丈夫だと思うよ。」

2号「お爺ちゃんは何だかんだ言って経験豊富だからね、簡単な事ではやられんよ。」

1号「今日は休んで、明日からサイト4の調査を進めようね。」

まめみ「うん、分かった。」

同じ頃…オクタリアン達の基地ではタコワサの捜索が続いていた。

ツネ『あれから2週間、お爺様は一体どこに…。』

エン『将軍の反応自体はあるのですが、肝心の場所までは特定が難しいですね…。』

ツネ『こうなったら、やっぱり現地に行くしか無いのか…?』

そんな事を話していたその時!

タコワサ『…ジ…ジジ…ザザ………聞こ…えるか……!?』

エン『この声は…将軍!』

ツネ『お爺様、こちらツネ…聞こえてるかい!?』

タコワサ『ツネ…!』

ツネ『無事でよかったお爺様…一体どこに!?』

タコワサ『今はどこかまでは分からん…だが…ワシは大丈夫だ…引き続き、部下達の捜索を継続する…お前達は引き続き待機せよ。』

ツネ『了解、無理だけはしないでねお爺様。』

タコワサ『うむ、約束しよう。』

そう言って通信は途絶えた。

エン『相変わらず場所は分かりませんが、将軍の安否が確認出来たのは大きいですね。』

ツネ『そうだね、とにかく今はお爺様からの報告を待とう。』

すると、ざくろが部屋に入ってきた。

ざくろ『ツネ。』

ツネ『ざくろ、アマミツは?』

ざくろ『少し前に寝た所、それで何か動きはあった?』

ツネ『お爺様から連絡があった。場所は分からないけど、引き続き部下達の捜索に当たるから待機せよとの事だ。』

ざくろ『そうなのね、無事でよかった。』

ツネ『しばらく動きは無さそうだな…アマミツは僕が見るから、ざくろは少し休んでいいよ。』

ざくろ『ありがとうツネ。』

息子アマミツが生まれて1ヶ月が過ぎたばかりのこの状況、不安が無いと言えば嘘になるが…家族を守る為に気を強く持とうとするツネの姿はすっかり落ち着いた大人の青年であり、また良き父親となっていた。

ハイカラ地方でツネ達が動く中、まめみ達もまたバンカラでの調査を続けて行き…次のサイト4では今までとは違うミッションもあり、木箱を壊して形を作るという変わったものもあった。

完成した形を見てみると…

2号『ん、どっかで見た様な…?』

まめみ「(これは…イルカ…?)」

イルカ「………………。」

サイト4でのミッションの過酷さに加え、ケバインクの浸食も増えていて…引き続きドスコイまるの協力も得ながらまめみは調査を続けた。

そしてここでは新たな敵も出現して…

2号『新たな敵の部隊を確認、注意されたし!』

まめみ「あれは…!?」

タコスナイパーの上に、小さな丸いタコが浮いていて…バリアの様な物で護衛している。

ポナ『あれはタコミラーボールか…バンカラの新スペシャル「グレートバリア」を模した敵だ。』

2号『厄介やね、アイツのバリアを何とかしないと…。』

ポナ『本体を撃てばバリアが壊れるはずだ、まめみ。』

まめみ「分かった。」

落ち着いて照準を定め、ソイチューバーで撃ち抜くとバリアは壊れた!

その後、護られていたタコスナイパーも倒して無事にミッションを終えたのだった

しかし疲労が溜まっているのか疲れやすくなっていて、サイト4の頂上へ向かう頃には更に2週間経過していて…バンカラ入りしてから1ヶ月の月日が経っていた。

ポナ「顔色があまり良くない、少し休んでからの方がいいんじゃ…。」

まめみ「ううん、大丈夫…アタリメさんが居るかもしれないから頑張るよ。」

心配するポナの頬にキスをして、まめみはドスコイまると共にサイト4の頂上へ向かった。

足場の周りには真っ青なインクと巨大な引き出しの様な物が広がっている不思議な空間…

2号『反応があるのはこの先やね!』

1号『じーちゃん、どこに居るの!?』

しかしサイト2の時と同様、周りを見渡してもアタリメ相談役の姿は無くて…

その時!

???「そこの御方、待ちなはれ。」

ドスコイまる「キュッ!?」

まめみ「誰!?」

頭上から声が聞こえたと思ったら、ラベルが貼られてたり一部がグニャッと曲がった棘の生えた柵で周りが覆われて…降りて来たのはフウカ!

フウカ「このお宝に目ぇ付けるなんて、ええ趣味してはりますな…そやけど、お上品なあんさんにはちと似合わへんとちゃう?」

まめみ「なっ…!?」

フウカ「あんさんハイカラのお嬢さんやろ?こんな所に居ないで戻った方がいいんとちゃいます?」

まめみ「ハイカラでもバンカラでも変わらない!あたしはあたしの意思でここに居るの!」

ドスコイまる「キュッ、ぼくも!」

フウカ「……一見さんお断り…どすか、全くいけずなお人よね……そんな世間知らずのハイカラ娘には、ウチが礼儀っちゅうもんを教えたる!」

そう言うとフウカは後ろを振り返り、インクが大きな波紋を生んでいる…

まめみ「なっ…何が起きるの!?」

フウカ「おいでやす、先生!」

まめみ「先生…?」

すると…そこに現れたのは、頭にサングラスを乗せて脇腹にジェットを搭載した巨大な鮫!!

高速で泳ぎいでいるかと想えば、突然正面を向きながら急ブレーキして…フウカがそこに飛び乗った!

ポナ『何だあの巨大な鮫は!?』

フウカ「ほな、フカすでーー!」

そう言うと、フウカは鮫と共にまめみとドスコイまるを見下ろして不敵に笑うのだった。

To be continued…