小説「ハイカラ娘の蛮殻探訪」最終話~伝説の神魚とヒーロー~

ロケットの周りに大きな金イクラが浮いていて…

1号『この金イクラ、使えるかも!』

まめみ「これでドスコイまるにコアを食べて貰えば…!」

ドスコイまる「キュッ!」

クマサンが呼び出したオクタリアン達や、自身が飛ばしてくるトリプルトルネード等をかわしつつも、まめみは金イクラを集めてドスコイまるに与え、コアを食べて貰って前へ進んだ。

2号『クマサンのお腹、色が変な部分があるね。』

ポナ『恐らくそこが弱点だ、まめみ!』

まめみ「分かった!」

ポナの狙い通り弱点だった様で、ヒーローシューターで攻撃をするとコアが出現した!

ドスコイまる「キュ、コアたべる!」

まめみ「お願いドスコイまる!」

バチンッ!!

コアを食べるとクマサンの体が一部黄色に染まり、大きくへこんだ!

クマサン「…終わりと始まりは繰り返すものだ。」

そう言うとケバインクの中に溶け込むと更に奥へと逃げ込み…ロケットが回転したり激しい爪の衝撃波等が襲う

まめみ「あたし達の世界をこんな形で終わらせない!」

ひたすら金イクラを集めて、まめみはドスコイまると協力しながら攻撃を続けた。

そしてクマサンの体のコアを全て潰すと…

クマサン「ふむ…キミ達、なかなかやるね。」

まめみ「どういう事…あれだけダメージを与えても、ビクともしない…!?」

クマサン「しかし時は満ちた…再び地球を哺乳類のものに。」

そう言うと強い衝撃派を放ち…

ビキビキビキ…パアーーーンッ!!

まめみ「きゃああああ!!」

ドスコイ「キュウゥーーッ!!」

激しい衝撃を受けたまめみとドスコイまるは吹き飛ばされてしまった!

ポナ「まめみ、ドスコイまる!!」

1号「そんな!」

2号「まめみちゃん!」

絶望的かと思われたその時!!

キラッ…遠くが光ったかと思うと、大きなロボットがまめみ達を受け止めた!

まめみ「うっ………ここは……タコワサ!!」

タコワサ「ギギ…ジジョウスベテ、ハアクシタ!」

まめみ「無事だったのね…よかった…!」

タコワサ「まめみ、ワレラノナワバリ…トモ二、マモルゾ!」

まめみ「うん!」

一方で、オクタリアンの基地にも情報は届いていて…

ツネ「宇宙に…まめみ達とお爺様が地球を救う為に、共に戦うんだね。」

エン「我々が出来る事は限られますが、精一杯の声援を送りましょう。」

ざくろ「そうだね、あんな毛むくじゃらはやっつけちゃえ!」

ツミ「まめみ達なら絶対に大丈夫だ!」

ルイ「俺達は信じてるよ、まめみ達の勝利を!」

そして、地上に残ってるポナ達も…

1号「あたし達も、まめみちゃんとドスコイまるちゃんを応援するよ!」

2号「そうやね!」

ポナ「まめみ、存分に暴れておいで!」

フウカ「さぁさぁ、お立ち会い!立ち上がりしは、イカした強者!」

ウツホ「我らが3号さん…ううん、まめみちゃんのオオグマ退治の時間じゃ!」

マンタロー「エイエイ!」

フウカ「今日もスミからスミまでずずずい~っと塗って見せやしょう!」

マンタロー「エ…」

1号「いよっ、ホホジロ屋ー!」

フウカ「ちょっ…姉御!」

ウツホ「その掛け声はマンタローじゃないと決まらんのじゃ…。」

マンタロー「エーイ…。」

1号「あははっ、ごめんごめん!」

2号「じゃあ…いっちょやりますか!」

アタリメ「聞けば天国!」

タコワサ「ウタエバゴクラク!」

通信機を通して聞こえてきたのは、すりみ連合とシオカラーズ、そしてタコワサのDJがミックスされた…

シオカラ節 Three Mix

すると…突然まめみの腕の中で、ドスコイまるが青い光に包まれて浮き上がった!

まめみ「ドスコイまる…?」

ドスコイまる「キュ…キューーッ!」

アタリメ『見よ、魚介類達の力がドスコイまるに集まって来よる!』

ウツホ『こ、この光は…!』

フウカ『天より下りし三つの光、渦を作りて災い拭ひ去れり…!』

マンタロー「エイ!?(まさか!?)」

ウツホ「間違いない、バンカラに伝わる神魚…オオジャケ様じゃ!」

マンタロー「エーイ!(アメージング!)」

まめみ「ドスコイ…まる…なの?」

驚くまめみに、巨大な「オオジャケ様」はゆっくりと降りて来て…彼女の頭を口で優しく咥えて、大きな舌で頬を舐めた。

ドスコイまる「ギュッ…まめみ!」

まめみ「あははっ…くすぐったいよドスコイまる!」

ポナ「(まめみ…君もだけど、ドスコイまるもとんでもない力を秘めていたんだね。)」

そしてその和やかな様子をじっと見ているクマサン…

クマサン「ふむ…かつてワタシ達の餌だった存在が、今こうして立ち向かおうというのか。」

そう言うとクマサンも立ち上がり、ケバインクを吸収して巨大化した!

1号「ドスコイまるちゃんもクマサンも巨大化しちゃった!」

ポナ「まめみ、コアを攻撃してドスコイまるをサポートするんだ!」

まめみ「分かった、お願いタコワサ!」

タコワサ「ギギ、マカセテオケ!」

2号「アイツ地球に向かってる…ケバインクを撒き散らすつもりなんよ!」

クマサン「これはそう…、まさに哺乳類の帰還だ。」

Return of the Mammalians~哺乳類の帰還~

ウツホ『帰ってこんでよいのじゃがーー!』

アタリメ『おい、タコワサ!』

タコワサ「ギギ、ソウジュウセキ…ハッチ、カイホウ!」

まめみ「これは…!」

タコワサ「ギギ…コレデ、コアヲスイコメ!」

まめみ「分かった!」

2号「地球到達まで、後3分33秒しかない…お願いまめみちゃん!」

まめみ「任せて!」

そう言って乗り込んだまめみだが…

タコワサ「まめみ…ミゴモッテオルノダロウ?」

まめみ「…うん。」

タコワサ「ギギ…ワシガオマエヲ、ササエヨウ。」

そう言ってタコワサは、まめみが衝撃でダメージを受けない様に、タコ足を彼女の腰に優しく巻き付けた。

まめみ「タコワサ…ありがとう。」

ドスコイまるがクマサンを食い止め、まめみがタコワサと共にキューインキでケバインクのコアを削り取る…

途中から偽物のコアが浮いてたり、オクタリアン達の猛攻もあったが…まめみ達は負けなかった、負ける訳にはいかなかった!

クマサン「何故そこまで戦う…?」

まめみ「大切な人達の為…そしてこれから生まれてくる命の為にも、あたしは負けない!!」

ポナ「これから生まれてくる命…まさか!?」

ウツホ「司令さん、鈍すぎじゃぞ!」

フウカ「あんさんの為にずっと黙ってたんどすえ。」

ポナ「なっ…そんな…!」

マンタロー「エイ。(僕達も口止めされてたからね。)」

2号「もう1人で司令の帰りを寂しく待つのは嫌だって、泣いてお願いされたんよ。」

1号「あたし達でフォローしてたんだから!」

ポナ「まめみ…君は何て無茶を…!!」

全てを知ったポナは驚きつつも再び空を見上げ、まめみの無事を強く願った!

そしてドスコイまるがクマサンに喰らいついている間に、最後のコアを吸い取り…

タコワサ「ギギ…スイコンダエネルギーヲ、ウチカエスゾ!」

クマサンに向かって一気に放出した!

まめみ「あたし達の世界を守る!!」

全てのエネルギーを放出した後、クマサンは光に包まれてすっかり力を失い…

クマサン「キミ達には負けたよ…あらゆる面においてね…過去を想うように強く、今と未来を見つめるのは…実に…実に難しいものだ。」

まめみ「クマサン…!」

クマサン「ワタシの仕事も、これでお終いかな……それじゃ、お疲れ様。」

そう言うと、クマサンは黄色い光に包まれて…ロケットと共に大爆発を起こした。

脱出したまめみがゆっくりと目を開けると…

頭上に居たオオジャケ様は青い光を放ちながらゆっくりと小さくなって…元のドスコイまるに戻った。

まめみ「ドスコイまる…ありがとう!」

ドスコイまる「キュッ、どういたしまして!」

まめみに抱っこされ、お互いに頬ずりをして…タコワサのロボットと共に地球に帰還し、地球に着いてゆっくりとロボットから飛び降りると…ポナがしっかりと抱き留めた。

ポナ「まめみ、お帰り。」

まめみ「ただいま、ポナ君。」

ポナ「そして…気づくのが遅れてごめん。」

そう言ってまめみのお腹を優しく撫でた。

まめみ「…ふふっ、どっちかな。」

ポナ「どっちでも可愛いよ、大切な家族だ。」

ドスコイまる「キュ、ぼくも!」

ポナ「そうだね、ドスコイまるも大事な家族だよ。」

ドスコイまる「キュ、ぼくおにいちゃん!」

まめみ「うん、最高のお兄ちゃんだね。」

笑い合うポナとまめみはとても幸せそうで…見ていた2号達もつられて笑顔になる。

そしてポナはまめみの耳元で「愛してる」と囁き…

皆が帰ろうと背を向けて歩き出したのを見てから、その唇に熱い口づけをしたのだった。

ハイカラ娘の蛮殻探訪~Fin~

海賊ダイルです。小説を読んで頂いた皆様、本当にありがとうございます!

小説「ハイカラ娘の蛮殻探訪」はこれにて完結しました!

まめみとポナが夫婦になってから1年後からスタートした今回のお話、まめみが身籠りドスコイまるが伝説の神魚として覚醒するという驚きの展開もありつつ、彼女達はこの世界を守りきりました。

お話は今回で一旦終わりますが、次のお話からは新章となって新しい物語が始まります。

2人の子供やドスコイまるのその後、バンカラ街で意味深な会話をしていた2人の若者、そしてシャケ達の世界にも大きな変化が…?

次はいつになるか未定ですが、始まった際にはまた読んでいただければ幸いです!

それでは読んで頂きありがとうございました!