タランザ「それじゃあ、始めるのね。」
マホロア「ウン。」
タランザ「まず1つ目、ここに座る時にどうするのね?」
そう言うとタランザは、目の前の草むらを指差した。
マホロア「コンナの普通に座ればイイジャン。」
何ごく普通な事を聞いているんだ…そう思いながら座ったマホロアだが…
タランザ「ダメなのね!」
バチッ!
突然タランザが小さな「タランザボウル」をマホロアのおでこにぶつけてきて…
マホロア「痛ッ……何するんダヨ!」
タランザ「そういう風だと紳士とは言えないのね!」
マホロア「ハァ!?ジャア紳士はどうするんダヨ!」
タランザ「ドロッチェのやった事を見てなかったの?こうやってアイシェの座る場所に、ハンカチやスカーフを敷くのね。」
マホロア「アイシェがボク自身の上に乗っテくれるナラ、喜んで下に寝転がるケドォ~?」
タランザ「馬鹿な事言ってるんじゃないのね!」
マホロア「ヒイィ…ソンナに怖い顔しなくてもイイジャン…!」
タランザ「ボクは厳しいのね、キミがちゃんと出来るまでビシバシいくのね!」
マホロア「ウワァ~メンドクセー奴…。」
タランザ「何か言ったのね?」
マホロア「何でも無いヨォ。」
一方その様子を少し離れた場所で見ているマルクは…
マルク「(コイツこんな調子じゃ大変そうなのサ…まぁ面白そうだから見てるけどサ。)」
マホロアが段々と不機嫌になるのが容易に予想出来るマルクは、これから面白い事になりそうだと内心期待していた。
そしてその予想はあっさりと当たり…
タランザ「椅子に座る時は?」
マホロア「好きな方に座ればイイダロ!」
タランザ「こうやって引いてあげて、座ったら戻してあげるのね!」
バチンッ!
マホロア「痛ッテェ~さっきカラぶつけんじゃネーヨ!」
タランザ「無駄口叩く暇があったら、さっさと覚えるのね!」
マルク「ギャーハッハッハッ!最高なのサ、ざまーみろなのサ!」
マホロア「ウルセーヨ、マルク!」
タランザ「次、歩く時はどうするのね?」
マホロア「手を繋いで歩くヨ?」
タランザ「歩くスピードをアイシェに合わせるのね。」
マホロア「エェ~ソンナ事まで気を遣うのカヨ。」
タランザ「つべこべ言わずに覚えるのね!他にも扉を開けて先に入れてあげるとか…そもそもすぐに手を出すとか論外なのね!」
マホロア「ボクのやってる事アウトジャン!?」
タランザ「だからギャップでアイシェの心をがっちり掴むのね!」
マホロア「…モウいっそ、力尽くでボクの愛を伝えた方がイイ気がしてきたヨォ…。」
タランザ「そんな事したら完全に終わるのね!」
マルク「いやタランザ、コイツにそれを諭すのは酷なのサ。」
タランザ「マルク…。」
マルク「こいつ欲の塊みてーな奴だし。」
マホロア「最低限のマナーは持ってるヨォ!ただボクは回りくどい事しなくテモ、ストレートな方がイイと思ったノ!」
タランザ「それは紳士じゃなくてただの変態なのね!」
バチバチッ!
怒りながらタランザボウルを2つに増やしてマホロアにぶつけるタランザ…アイシェとマホロアの心配をしているとはいえ、今まで彼には苦い思いをさせられてきた仕返しもちょっぴり入ってたりする。
すると、マホロアはビキビキしだして…
マホロア「アーーーモウやってらんネーー!」
元々の短気な性格に加えて、明らかに自分に対する仕返しも入っていると気づいたマホロアは怒り、黄色い瞳もつり上がっているが…
マルク「キシシ、マホロアくんはそ〜んな事も出来ないのサ〜?」
面白がるマルクが、マホロアを煽り出した。
マホロア「さっきカラ見てるダケのテメーが言うのはおかしいダロ!」
マルク「これじゃあアイシェはアイツに心変わりしちゃうのサ、ま〜ボクはその方が面白くていいけどな!」
マホロア「マルク、テメーブッ殺すゾ!」
マルク「おっほっほっほ、せいぜい頑張って変態紳士になるのサ。」
マホロア「ウルセーヨ、このクソピエロ!!」
タランザ「無駄口叩いてないで、さっさとやるのね!」
マホロア「クッソオォォォォ………!!」
ビキビキして腸もグツグツと煮えくり返りつつ、マホロアはタランザの紳士の嗜みの教えを受け続け…
ようやく一通り教えが終わったタイミングで、大きな紙袋を持ったカービィが通りかかった。
カービィ「あれ…マホロア、マルク、タランザ~ここで何してるの?」
タランザ「カービィ。」
するとマホロアはカービィの元へ黄色い瞳をウルウルさせながら飛んで行って…
マホロア「聞いてヨ、カービィ!マルクもタランザも酷いんだヨォー!」
カービィ「え、どうしたのマホロア?」
マホロア「2人して、ボクを苛めるんダァ!」
何と自分が酷い目に遭わされているかの様に話し始めた!
タランザ「人聞きが悪いのね!」
マルク「自分の事を棚に上げてんじゃねーよ!ボクは何度もお前に酷い目に遭わされたのサ!」
マホロア「ヤダナァ〜ボク何もしてないヨォ!?」
2人が抗議するも、今までの悪行をまるで無かったかの様にとぼけるマホロア…
タランザ「どんな思考回路してるのね!?」
マルク「今日という今日はもう許せないのサ…いい度胸だイカサマタマゴ、ここでシバいてやるのサ!」
怒ったマルクが翼を出して、マホロアを脅したが…
マホロア「エーン、助けてカービィ!」
マルク「か弱いフリすんな!」
カービィ「まぁまぁ落ち着いてよ、とりあえずお菓子でも食べよう?」
もう見慣れた光景にカービィは全く慌てる様子も無く、自分が持っていた紙袋の中からお菓子を取り出した。
その後、4人でお菓子を食べた後…
マルク「マホロア、せいぜい頑張るのサ。」
タランザ「アイシェを奪われない様に、しっかりやるのね!」
そう言い残して2人は帰って行き、マホロアはカービィの家に向かってお茶を飲みながら愚痴り始めるのだった。
To be continued…